あの時君は、たしかにサヨナラと言った
カンペーちゃんは、過去に胃ガンを患っていて、胃の半分を切っている。それで、今でも定期的に検診に来ているのだと言った。ちょうど、俺と再会を果たした日が、まさにその日だった。
「ところで武藤君はどうしてここに?どこか具合でも悪いのかい?」
カンペーちゃんは、恐ろしく記憶力がいい。噂では、卒業生の顔と名前をすべて記憶しているのだとか。
通信科卒の俺のことを覚えているくらいだから、まんざら嘘ではないのだろう。
「あの実は…」
そこで、ぐぅぅっと腹の虫がないた。しばらく間ともな食事をとっていなかった俺は、高熱で倒れたにもかかわらず腹ペコだったのだ。
カンペーちゃんは、げらげらと笑うと、俺を近くの定食屋に誘った。
定食屋で、俺は、何日かぶりにまともな食事にありつけた。
不思議なもので腹が満たされると、元気が出た。
食べながら、俺は、こうなったいきさつを洗いざらい話した。
美咲にふられたこと。
家を失ったこと。
友人の家を渡り歩いていたが、今は漫画喫茶で暮らしていること。
でも、もうその暮らしも限界だということ。
それから、家族とうまくいっていないことも。
話を聞き終えると、「とりあえずうちに来なさい」とカンペーちゃんは言った。
カンペーちゃんは専門学校の側のマンションに一人で暮らしていた。
カンペーちゃんの奥さんは10年も前に他界し、二人の間に子供はいない。
そこに俺は、なんと1週間も住まわせてもらった。
実に居心地のいい場所だった。
「ところで武藤君はどうしてここに?どこか具合でも悪いのかい?」
カンペーちゃんは、恐ろしく記憶力がいい。噂では、卒業生の顔と名前をすべて記憶しているのだとか。
通信科卒の俺のことを覚えているくらいだから、まんざら嘘ではないのだろう。
「あの実は…」
そこで、ぐぅぅっと腹の虫がないた。しばらく間ともな食事をとっていなかった俺は、高熱で倒れたにもかかわらず腹ペコだったのだ。
カンペーちゃんは、げらげらと笑うと、俺を近くの定食屋に誘った。
定食屋で、俺は、何日かぶりにまともな食事にありつけた。
不思議なもので腹が満たされると、元気が出た。
食べながら、俺は、こうなったいきさつを洗いざらい話した。
美咲にふられたこと。
家を失ったこと。
友人の家を渡り歩いていたが、今は漫画喫茶で暮らしていること。
でも、もうその暮らしも限界だということ。
それから、家族とうまくいっていないことも。
話を聞き終えると、「とりあえずうちに来なさい」とカンペーちゃんは言った。
カンペーちゃんは専門学校の側のマンションに一人で暮らしていた。
カンペーちゃんの奥さんは10年も前に他界し、二人の間に子供はいない。
そこに俺は、なんと1週間も住まわせてもらった。
実に居心地のいい場所だった。