受け継ぐものたち

vs.カレン

「やっと会えたな。俺達の因縁にそろそろ決着をつけようぜ、カレン！」
その金髪の女性カレンに向かい、銃口を向けるが顔色１つ変えることなく、喋り始めた。
「あら、そんなオモチャでは私を倒せないってまだ、分からないのかしら？」
「さぁな」
舌で唇を湿らせると、キールは手に持っていた銃を強く握り始めた。
そこから、お互い無言に変わり、ただ時間が過ぎていっていた。
その様子を木の上から眺めていたアーロンは、ただ腕組みをして見守っていた。
急に大風が辺り一面を吹き荒れ、落ちていた木の葉が宙を舞った。
数え切れない木の葉が落ちる中、最後の一枚が高く飛び上がっていた。

その一枚がカレンとキールの間をゆっくりゆっくり落ちていき、その様子を二人は見守っていた。
そして、その一枚が地面へと着いた。
刹那
カレンは手に持っていたダイヤの石をキールに投げつけ、キールは前方へと勢いよく飛び出した。
石がキールの額に当たったかと思うと、頭を捻り、直撃を避けた。
そのまま倒れながら、握っていた銃でカレンに5発放った。
乾いた音と金属音が森のなか響き渡ったが、お互い無傷の状態だった。
「やはり、無駄なこと…」
「そうかな？」
お互い余裕の笑みを浮かべていたが、キールだけは、冷や汗をかいていた。
「もう、遊びは終わらせましょう」
カレンは胸元から赤色、黄色、青色、緑色の石を取りだし、ワイヤーで宙に浮かせていた。
その様子を見ていたアーロンが動き出そうとしたが、キールは右腕を肩まであげ、ただ無言でその様子を伺っていた。
一息付くと、手に持っていた銃を収め、もう１つの銃を取り出した。
「さすがに、出し惜しみできないか」
苦笑しながらその銃を強く握ると、軽く目を閉じた。
「とうとう出したわね!!伝説の銃。テイクオーバー!」
その銃を見るなり、興奮が止まらないカレンに対し、キールは静かに目を閉じたままだった。
「あんたを倒して、それを貰う!!」
言葉と同時に手に持っていた石をキールに投げつけた。
カレンの動作と同時にキールは開眼し、持っていた銃のトリガーを引き、閃光がその場を覆いつくしたかと思うと、再び夜の森へと戻った。

「伝説の武器を使ったとしても、私を倒せなかったみたいね」
その場にたっていたのはカレンであり、キールは仰向けに吹き飛ばされていた。
「さて、後は木の上にいる伝説の忍者と後ろに隠れている伝説の剣術士のみね」
独り言を呟きながら、倒れているキールに近づき始めた瞬間、違和感を感じた。
「ど、どうなっている？動けない…」
「あんたの体をよく見てみなよ」
倒れながらキールはカレンに言葉を放った。
言われた通り、体を見ると胸、両腕、両足に一点の光が存在していた。
「先程、ただの銃で俺はお前の間接の部分に弾を放ち、テイクオーバーの威力で全てを麻痺させた。お前はもう指先動かすこともできない」そう言うと、倒れていた体を起き上がらせた。
「お、おのれ…」
「お前の敗けは確定だ！」
テイクオーバーの銃口をカレンに向けた。
しかし…
「キール！離れるんじゃ！」
「キール、離れて！」
木の上にいたアーロンと木の後ろで戦略を練っていたコリーの叫び声より先に稲妻がキールに向かって、襲いかかっていた。