久遠の愛と約束を

やっと迎えた放課後、ちっとも授業になんて集中できなかった。



瑞輝が書いた紙をぎゅっと握りしめ、私は2週間ぶりに社会科資料室に入った。



ガラリと開けるといつも通りのひんやりとした空気が私を包む。机も私が座ってたパイプ椅子もあの頃のまま。



ただ、あの頃と違うのはコーヒーの匂いがほとんどしないことと、瑞輝がいないこと。


たった2週間なのに凄く久しぶりきた気がして胸がグッと苦しくなる。




幸せだった、あの頃。
瑞輝の匂い。
瑞輝の作るカフェオレ。
そして最後までなれなかった瑞輝の甘いキス。




落ち着かせていたはず気持ちが少しずつ溢れてくる。




「……ふ…っ…い…ぁ…」



ポロポロと溢れた涙は止まらなく私の頬を伝う。



大好きだった空間に大好きな人がいないってこんなにも空っぽなんだ…



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