久遠の愛と約束を
下駄箱を抜け、門のところに行くと一台の車が止まっていた。
何の躊躇いもなく、葵は車に乗り込んだ。
「おにい、ありがとう。じゃ、例のところまでよろしく。
ほら、紘那も乗って」
「君が紘那ちゃんだね。
葵の兄の遥亮(ようすけ)です。さっ、乗って乗って」
「は、はい…。お、お邪魔します…」
少し強引なところ、葵にそっくりだな…そう思いながら後部座席に葵と一緒に乗り込んだ。
「紘那、睡眠足りてないでしょ?寝てていいよ」
「うん……ありがと」
寝不足も葵に見破られてしまい、遥亮さんの運転する車に揺られた私はいつの間にか深い眠りについていった。