久遠の愛と約束を
「待って、それって…傷害事件だよ?!」
「いや、どうだろ…暴行罪になるんじゃないかな。
…いずれにしてもこれは刑事事件だよ。」
法学部を目指している葵と法学部出身の遥亮さんは、テレビで聞いたことしかないような単語をバンバン使いながら討論し始めてしまった。
私は完全に蚊帳の外で2人の話をボーッと聞いていた。
「とりあえず、学校に届けてあゆみん辞めさせないと!」
「ま、待って!」
葵の言葉を制するために少し大きな声を出したら頭にズキンと響いた。
頭をかち割るような痛みに耐えながら、私は口を開いた。
「が、学校側には言わないでいいです…」
「どうして?これは立派な…」
「もう、事を大きくしたくないんです…瑞輝、今はここにいないけど…迷惑かけたくないんです…」