久遠の愛と約束を
例年沖縄だった修学旅行は結局、京都と大阪の定番コースになってしまった。
沖縄気分だったみんなは文句タラタラだったけど、私は葵と一緒ならどこでもよかった。
それに…瑞輝が教えてくれていた日本史の授業で出てきたお寺がたくさん京都にあるから、どちらかというと嬉しかった。
3泊4日の修学旅行はあっという間に最後の晩餐を迎えてしまった。
金閣や銀閣、嵐山の方まで足を伸ばして思う存分、京都の秋を堪能できてかなり満足だった。
「ごめん、紘那!忘れ物とってくる!」
最終日の夜、ホテルの夜ご飯を食べるために部屋を出たけど葵が忘れ物をして、一人で一階のロビーで待っていた。
「奥田さん」
人の行き交うロビーで声をかけてきた人は、とても意外な人だった。