久遠の愛と約束を

「そうなのか、瞬」


「あぁ、あいつ去年はクラスで上の方にいたけど仲間たちと別れたからか、今年は浮いてんだ。」


瞬くんは今年も菅野さんと同じクラス。今の彼女の状況は一番彼が知ってるはずだけど……



「奥田さん、菅野さんとは仲よかったの?」


松井先生の言葉に、私は首を横に振った。



話したことはほとんどないし、瑞輝に告白をしている時を見てからはより自分から距離をとった。



「そう……でも、今回のことは私から先生方に伝えるわね。
もう、奥田さんも加藤さんも、今日はこのまま休んでください。」


「はい…」


「紘那、俺は504、拓海は702号室にいる。何かあったらすぐ言えよ」


「瞬くん、拓海…ありがと…」



なにを、どこまで、みんなが察したかはわからない。
でも、みんなはそれ以上なにも言わず部屋を出て行った。



「葵…寝よっか」


結局夜ご飯は食べれなかったけど、今は食べれる気分じゃない。



…早く、今日の事を忘れたい。



顔を真っ青にした葵を無理やりベッドに入れ、私も同じベットに入ってそのまま夜が明けるのを待った。



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