久遠の愛と約束を

グイっと引っ張られ、私はそのまま窓側の後ろの方の席へと向かった。



毎年大体、私と葵の席はこの辺で今年も予想通りの席だった。




「葵!お前初っ端から喧嘩ふっかけんなよ!」



人の少ない端っこに着くとすぐに瞬くんは葵に向かって叫んだ。



「仕方ないでしょ……!紘那のこと、そうでもしないと…守れないじゃない……」



堂々とした姿勢で、でも尻すぼみになっていく葵の言葉にカアっと目元が熱くなる。



「そうかも、知らねぇけど…!」



「あたしが!
…あたしが悪役になってでも、紘那を守るって、決めたの。

もう…二度とあんな思いしたくない…!」


「葵!そんなんじゃお前が…っ」



瞬くんの言葉を遮るように、一歩後ろに下がっていた拓海が葵と瞬くんの間に割り込んできた。





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