久遠の愛と約束を



高校三年生の生活はあっという間に過ぎていき、気づいたらもうすぐ夏休み…



周りで部活をしていた子も、引退を迎えて教室はだんだんと活気付いていった。




「紘那!ここの問題教えて!」


「これは、み……西岡先生の授業でやった荘園制のところだよ。
複雑だけど、領家が本家に寄進していくんだよ」


「あーっ、その問題か!ありがと〜」




あんなに勉強が嫌いって言ってた葵も部活を引退してからはずっと勉強をしていた。


「葵…飛ばしすぎると疲れちゃうよ?」


「何言ってるの、紘那!紘那に追いつくためにはこれぐらいやらないと…ダメなんだもん…」


「そうかも、しれないけど……」



葵は良くも悪くも無鉄砲で、見ていてヒヤヒヤする。



「また聞きにくるから〜」



葵がこんなに頑張るようになったのは1週間前、私が言われたことが要因だ。

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