久遠の愛と約束を
…遅いなぁ。
カチカチと鳴る時計の針が今年も担任の鬼頭先生と二人きりの教室に響く。
『ごめん、遅れる』
それ以降、LINEの既読は全くつく気配がなくてすでに1時間以上約束の時間から過ぎていた。
「すみません、こんなに待たせてしまって」
「…いや、奥田がいけないわけじゃないだろ。」
と言いながら、ブツブツと小言を漏らす鬼頭先生はきっともう我慢の限界。
面倒なことが嫌で、何でもサクサクと進めたがる鬼頭先生はもう怒りを隠しきれてない。
「すみません、遅れました」
「お父さんっ、遅いよ!」
だんだん日が長くなってきたのに、もう夕焼けも消えかかる頃、やっとお父さんが来てくれた。
幸い、私が最後だったから後ろには人はいないから迷惑をかけたのは鬼頭先生だけ。