久遠の愛と約束を

迎えた2月。



今年は雪も降らない予定で、交通の乱れは大丈夫そうだった。




「紘那…」



葵の第一志望当日、私はお節介かもしれないけど、葵について千堂大まで一緒に来た。


いつも以上に不安そうで、泣き出しそうな顔の葵は、誰がどう見ても緊張していた。




「葵……思いっきり、だよ」




この一年、全力だった葵。




最後にかけるなら、この言葉かな、と数日前から考えていた。



この言葉は…自分自身へのメッセージでもあるから……








あと卒業式まで2週間ほど。



入試が既に終わった人たちは式の準備のために、ほぼ毎日学校に行っていた。




そうは言っても、ほとんどやることはなくて、仲のいい人たちが騒いでるだけで私は図書館で借りた本を読む毎日。




図書館は、私にとっていい意味でも悪い意味でも思い出。




でも思い出、と言っても曖昧で、瑞輝と話したこととか園田先生にされたこととか…



時間、というベールに包まれて所々、怪しいところもあるけど…






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