久遠の愛と約束を

まもなく駐車場に着き、瑞輝の車に乗り込む。


「ごめん、助手席だと紘那の顔見えちゃうから後部座席な」


そう言われ私は後部座席に荷物と一緒に詰め込まれる。
瑞輝の車は無駄なものが一つもなくてすごく綺麗だった。僅かに香る瑞輝の香りに思わず頬が緩む。



「あっ、瑞輝って私の家知ってるの?」

「あぁ、担任だからな。
ちなみに紘那の誕生日も趣味も知ってるよ?」

「え、瑞輝だけズルいよっ
瑞輝の家は?誕生日はいつ?趣味は?」

「まぁ、その時が来たらな。一つずつ、知っていく方が面白いだろ?」


さらりと交わされてしまい、何一つ聞くことができなかった。



「今度こそ、聞くもん…」



ここでしつこく聞かなかったことを後悔するのはもう少し後のことだった…



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