久遠の愛と約束を
「西岡先生?奥田です」
半分ドアが開いていた社会科資料室に入るとそこには机に向かって作業をしている西岡先生がいた
「奥田、時間大丈夫か?」
「はい。どうせ帰宅部なので」
ほとんどの生徒が部活に入っているが、私は父子家庭で家事をしなければいけないから部活には入らなかった
そうか、と呟いた先生はわたしを呼び出したにも関わらずパソコンへ向かい続けている
部屋にカチカチとキーボードを打つ以外の音は何もなく、やけに窓の外の雨が大きく聞こえる
「奥田」
「な、なんですか」
「コーヒー淹れるから、少し話そっか」
そう言った先生はパソコンの電源を切り、奥にある部屋に入る。
しばらくするとコーヒーのいい香りが部屋中を包んだ
「奥田、ミルクと砂糖は?」
「じゃ…両方…」
やっぱりな、と屈託のない笑顔を見せる先生に思わずキュンとしてしまう。