久遠の愛と約束を
*
「お、お兄さんっ」
人通りの多い廊下で俺は着ていた服の袖をグイッと引っ張られた。
廊下の端で立ち止まり、振り向くと俺よりも20cm以上小さい制服を着た女の子がいた。
「な、何…?」
ちんまりした女の子はかなり幼いが、地元の中学の制服を着ていてかろうじて中学生と見える。
「これ、落ちましたっ」
そう言って手にもっていたパスケースを差し出された。
どうやらさっきトイレに行ってハンカチを取り出した時に一緒に落ちてしまったらしい。