久遠の愛と約束を
そのまま瑞輝の胸にダイブしよう、とした時だった。
『〜♪〜♪』
…タイミングの悪い電話がまた鳴り響いて私と瑞輝の仲を引き裂いた。
スマホのディスプレイを見ると『拓海』の文字が目に入ってきて、私は思わずため息が漏れた。
「紘那、出ないのか?切れるぞ。」
「…拓海だから、いいです…。」
拓海は昔から時間に厳しかった。ものの数分遅れただけで、一日中不機嫌になってしまう。
あと半歩で瑞輝のスーツだったのに……
ふんわりと香る瑞輝の匂いに飛びつきたくなる気持ちを抑えた。
…つもりだったけど、私は無意識に瑞輝のスーツの袖をぐっと掴んでいた。