久遠の愛と約束を
「紘那、遅い。」
「…ご、ごめん……。」
はぁ、と長い溜息をついた拓海はそれ以上な何も言わずズンズンと前を歩いて行ってしまった。
日頃運動不足な上に瑞輝から逃げるのに全力で走ったせいで、私の体力はほとんど残っていなかった。
「拓海っ、ま、待ってよ!」
息が上がり途切れ途切れに言った言葉は、何とか拓海の耳に届いたみたいでズンズンと大股で戻ってきた。
「彩乃が待ってるんだよ。行くぞ。」
拓海は私の右腕を痛いぐらいに掴み、さっきと同じスピードで駅へと向かって行った。
結局、拓海は家に着くまで私の手を解放してくれなかった。