another新撰組・1

「明里さん、すいません、無理を言ってしまって。」

俺が見たこともない紳士的な笑顔で、山崎が彼女に笑いかける。

「いえ、構いませんわ。おかげで珍しい方とお話出来たのですもの。」

こちらは変わらない笑顔。

(お、大人の会話だ・・・。)

俺を無視して、二人は朗らかに喋ってる。

(アケサト・・・。)

俺は、自分が無視された事より、山崎が言った、彼女の名前の方が気になっていた。

アケサト。

ドコかで聞いた名前。

土方さんではない。

話し方から山崎でもない。

じゃあ、誰から聞いたんだろう。

多分、明里さんがさっき言葉を濁した、よく通ってる隊士の人から聞いたんだろう。

・・・って事は、その人は俺とも知り合いって事だよなぁ・・・。

・・・誰だろう。その人。
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