another新撰組・1
「・・・悪かったな。」
ボソリ。
「ほぅ。このガキは、感謝もちゃんと出来んのか?」
ムカッ。
俺は、すっ、と立って、無理やり山崎の耳を掴んだ。
そして、大きく息を吸う。
「ありがとなっ!」
耳元で、大声。
へんっ。ザマーミロ。
ちょっと、スッとした。
俺は、改めて、明里さんの前で正座する。
「?」
「明里さん、本当にありがとうございました。」
深々とお辞儀した。
「!!・・・隊士さん、いけません。私の様な者に!・・・あぁ、どうしたら・・・。」
俺は顔を上げる。
「・・・いえ、本当に助かりました。感謝しているんです。気にしないで下さい。」
「俺にはしないくせに。」
ボソリと山崎が呟いたが、無視する事にした。