another新撰組・1
「あの、知らないならいいです。変な事を聞いたりして、すいません。」

軽く会釈して、沖田さんの反応の見ずに、今度こそ、走り出した。

・・・だから、後ろにいる沖田さんの悲しい顔も、言葉も、気付かなかったんだ。

「・・・やっぱり、新撰組は、血を流さなければいけないんですか?土方さん・・・。」

この時、俺は、この後起こる、隊の悲しい事件の中心を見ていた。

見ていたのに、全く気付かなかったんだ。

ただ少しの疑問を、今の雑務にかまけて、そのまま、事件の日まで忘れていた。

「飴、旨いな~。今度、沖田さんに店を教わろう。」

俺は、ガキだった。

後に、心から思う。

でも、今の俺は、平和な日常に溶け込んで、平和に過ごしていたんだ。

「さ~、めちゃくちゃ旨い茶を淹れてやる!!」


~fin~
< 42 / 65 >

この作品をシェア

pagetop