another新撰組・1
再度、土方さんからのメモにある地図を確認し、竈の中に投げ入れた。

証拠は残さない。

情報は記憶の中に。

大した事ではないかもしれないが、俺がモットーとしている事だ。

俺は、誰にも会わずに、屯所を後にした。

静かに町へ向かう。

今の時間は、人々が道に溢れていて、活気がある分、皆周りの人間を認識していない。

こういった時間は、密かに動く俺みたいな人間には動きやすい。

さて。

夜がメインの店だ。

今のうちに万全の用意をしなければ。

(まずは・・・ん?)

前方に、見覚えのある小さな姿が見えた。

土方さん付きのガキ、市村鉄之助だ。

(何で、こんな場所に・・・。)
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