another新撰組・1
「・・・馬鹿だな。俺も。」

隣で眠るガキの額を、人差し指でピンッと弾く。

一瞬、顔をしかめ、元に戻った。

「・・・幸せなヤツ。」

俺も、この位、無知で素直なら幸せだったろうか。

・・・いや、もし同じ環境で育っても、俺はコイツにはなれなかっただろう。

自分でも、ひねくれているのを、よく理解している。

(・・・さて、どうするか。)

やはり、無計画はリスクが高い。

接触してはいけない相手とも接触してしまった上に、正体も気付かれている。

相手は敵意剥き出しだ。
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