好きなんていえないよ
「神崎…、昨日言ったろ?お前の隣に転校生が来るって」
ため息をつき言った。
左隣を見ると誰もいない机があった
先生の評価をこれ以上下げられてはいけない!
「私ちゃんと転校生の案内とかするから!」
「ほぉ、そうかちょうど転校生もバスケ経験者だからちょうどいいな」
へぇバスケ部なんだぁ、って座らなきゃいつまでつっ立ってんだ私
「ひなたが校内案内かぁ…放送室どこにあるかわかってるの?」
にやにやと未咲が顔をのぞき込んできた
そりゃもちろん1年間もここにいるんですから?
わからないはず…ないはず…たしか…
「に、2階だよ」
「意外にわかってるね、バスケのことしか頭にないのになぁ」
「ほら鈴木、神崎いつまで喋ってる。転校生来たぞ」
顔を黒板に向けると背の高いいかにもスポーツ系っていう人がこちらに背を向け名前を書いていた
なになに?
朝
馬
輝
冬
え?なんで?
いや違う同性同名なだけだ、だってあきとはもっと小さかった
転校生が振り返えると、教室中の女子がざわめいた
見覚えのある顔、少し大人びたけどわかる。
「みつけた…っ!」
前で未咲が目を見開き呟いた
「あさまあきとです。よろしくお願いします!」
人懐っこい笑顔で転校生は言った