好きなんていえないよ
「よしこれからよろしくな、お前の席はあそこだ」
先生が私の隣の席を指さす

ありがとうございますと転校生が頭を下げるとこちらへ歩いてきた

謝らなきゃ、許してもらわなくても。
いや絶対に許して貰えない。
私は輝冬の大切な人達を、夢を奪ったから



輝冬が近づくにつれ鼓動が速くなる

逃げろと頭の中の警告の鐘がなり続けている

過去の罪悪感で頭が重くなる

喉にたまる言葉で息がつまる

顔の血が引くのが鏡を見ているかのようにわかる

冷や汗が首筋を伝う

世界が傾いた

「神崎!?どうした!」
「ひなた!」


だめ…なんで逃げたの、輝冬に謝らなきゃいけないのに…
私の意識はそこで途切れた
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