好きなんていえないよ
「輝冬今日来るの?」
『あったりまえだ!3クォーター前には着く』
「うん…、でも負けたらどうしよ…」
『は?なにわけわかんないこと言ってんだよ!俺が優勝出来たんだからお前も出来る!お前はお前のプレーをしろ、お前は強いんだから』
「だよね!なに弱気になってんだろ」
『そうだ、早く勝って俺にもう一回告白させろ!』
「ちょ!そんな大声でいわないでよ!バカ!」
『はは、おい!姉ちゃんやめろよ!…ひな聞こえる?絶対勝って早く妹になれ!御姉ちゃん大歓迎だよ!』
「あはは、夏ねぇ気が早いよ。でも絶対勝つから!」
『うん、そのいきだ!…はいはい輝冬に代わるね、おい、ひなた!俺は負けて先延ばしなんて嫌だからな!』
「うん!あ、もうすぐ始まるから、あとでね」
「ひなー行くよ!」
「ほーい」
お母さんに携帯を返すと私は試合前のアップに取り掛かった
今日は中総体決勝だ、相手は連続で県大会に出続けている強豪校
でも、負けられない
2クォーター
19-21 残り3秒
「流れは持っていかせない!あかりちょうだい!」
スリーポイントラインの外でパスを受けるとブロックしようと飛び込んできた4番をドリブルでかわし、不安定なフォームでシュートを放った。
スパっ
「よっしゃ!」
ループがかかったシュートがゴールに吸い込まれる観客席がどよめいた
ピーーーーー!
審判の笛がなり得点盤に点数が追加された
22-21
「ナイシュ!」
「次も頑張ろ!」
仲間が次々と声をかけてくれる中、私は観客席に輝冬達の姿を探していた
「ひなたー旦那探してる暇あったら水分補給しろ〜」
「さ、探してません!」
監督にもいじられ私は顔を真っ赤にして否定した時だった
2階の観客席にいたはずのお母さんがすごい形相で駆け寄ってきた
「お母さん?どうしたの?」
「輝冬くん達が!はぁはぁ、事故にあったってすぐそこで!」
「え?」
「さっき、トラックとぶつかって、はぁ、うっ!」
それだけ言うとお母さんは泣き、崩れ落ちた。そこからはよく覚えていない
ただ走った、煙が上がっているのが見えたからすぐわかった
全速力、足が痛いのも疲れていたのも忘れて
人だかりを分け前に進むと十字路で電柱とトラックに挟まれペチャンコになった白い車があった
助手席から見える血が流れる腕が見えた時、すぐに輝冬の父の腕だとわかった。
「輝冬!夏ねぇ!亜輝おじさん!遥おばさん!」
駆け寄ろうとすると救急隊員に抑えられた
狂ったように泣き叫んだ
隊員の腕を振り払い後部座席の割れた窓に飛びついた
ぎょっとしたみんながこちらを向き血走った目でいったから
「「「「お前のせいだ」」」」
目の前が真っ赤になり私はまた叫んだ
『あったりまえだ!3クォーター前には着く』
「うん…、でも負けたらどうしよ…」
『は?なにわけわかんないこと言ってんだよ!俺が優勝出来たんだからお前も出来る!お前はお前のプレーをしろ、お前は強いんだから』
「だよね!なに弱気になってんだろ」
『そうだ、早く勝って俺にもう一回告白させろ!』
「ちょ!そんな大声でいわないでよ!バカ!」
『はは、おい!姉ちゃんやめろよ!…ひな聞こえる?絶対勝って早く妹になれ!御姉ちゃん大歓迎だよ!』
「あはは、夏ねぇ気が早いよ。でも絶対勝つから!」
『うん、そのいきだ!…はいはい輝冬に代わるね、おい、ひなた!俺は負けて先延ばしなんて嫌だからな!』
「うん!あ、もうすぐ始まるから、あとでね」
「ひなー行くよ!」
「ほーい」
お母さんに携帯を返すと私は試合前のアップに取り掛かった
今日は中総体決勝だ、相手は連続で県大会に出続けている強豪校
でも、負けられない
2クォーター
19-21 残り3秒
「流れは持っていかせない!あかりちょうだい!」
スリーポイントラインの外でパスを受けるとブロックしようと飛び込んできた4番をドリブルでかわし、不安定なフォームでシュートを放った。
スパっ
「よっしゃ!」
ループがかかったシュートがゴールに吸い込まれる観客席がどよめいた
ピーーーーー!
審判の笛がなり得点盤に点数が追加された
22-21
「ナイシュ!」
「次も頑張ろ!」
仲間が次々と声をかけてくれる中、私は観客席に輝冬達の姿を探していた
「ひなたー旦那探してる暇あったら水分補給しろ〜」
「さ、探してません!」
監督にもいじられ私は顔を真っ赤にして否定した時だった
2階の観客席にいたはずのお母さんがすごい形相で駆け寄ってきた
「お母さん?どうしたの?」
「輝冬くん達が!はぁはぁ、事故にあったってすぐそこで!」
「え?」
「さっき、トラックとぶつかって、はぁ、うっ!」
それだけ言うとお母さんは泣き、崩れ落ちた。そこからはよく覚えていない
ただ走った、煙が上がっているのが見えたからすぐわかった
全速力、足が痛いのも疲れていたのも忘れて
人だかりを分け前に進むと十字路で電柱とトラックに挟まれペチャンコになった白い車があった
助手席から見える血が流れる腕が見えた時、すぐに輝冬の父の腕だとわかった。
「輝冬!夏ねぇ!亜輝おじさん!遥おばさん!」
駆け寄ろうとすると救急隊員に抑えられた
狂ったように泣き叫んだ
隊員の腕を振り払い後部座席の割れた窓に飛びついた
ぎょっとしたみんながこちらを向き血走った目でいったから
「「「「お前のせいだ」」」」
目の前が真っ赤になり私はまた叫んだ