好きなんていえないよ
――陽side――

「私、朝馬くんのこと好きになった」

指先まで凍るような感覚を覚えた

美味しかったはずのもっチーズリングもただのゴムを食べてるような感じになった

未咲が輝冬の存在を明らかにし
輝冬が本当に転校してきたという現実を突きつけられたきがした

ほんとうは謝るのが嫌だった
許されなくてもいいっていうのも嘘だ

大好きだった人に突き放されるのが怖かった

夢だったら良かったと現実から逃げていた

「ねぇ、聞いてる?」

「あ、うん聞いてるよ?」

「さっき、朝馬くんと少し話したんだけどすごくいい人でさ保健室に運んでくれたのも朝馬くんなんだよ?」

「そうなんだ…あとでお礼いわなきゃね」

作り笑いを浮かべると、味のしなくなったドーナッツを完食した

「応援してね?」

「もちろんだよ、友達の頼みだし。頑張ろ!」

未咲は嬉しそうに笑った

未咲が嬉しいなら…応援しなきゃ
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