ユウガオ
「なんでもない!」
自分でも言葉がうまく出てこない。
「いつでも、言いたくなったら
教えて。」
優しい彼にまたも胸をときめかす
「このまま連れ去っていい?」
耳元で囁かれた彼の言葉に
またも何も言えない
連れ去られたい。
けれど夜が開ければ
置いてかれる
半ば強引に彼をひきはがし
「すぐ会える?」と言って
キスをして扉に手をかけた
「待って」
彼はドアに手をかけていない私の
手を引いて「すきだよ。」と
私の耳元で囁いた。