ユウガオ
ペチュニア
4月、私はようやく看護師として
働き始めた。
私は22、彼は38
始まったばかりの仕事に
環境に戸惑い、疲れ、
また彼も同じく仕事に追われる
こんな時こそ彼に会いたい
4月ももう終わりごろ
ようやく落ち着いた頃
「ひさしぶり」一番聞きたい声を
耳にした
思わず抱きついた
お昼だからみんな見てる
でもすぐにわれにかえる
彼は既婚者。
「ごめん」私の言葉に彼は
私の手を引いて歩き出す
「大丈夫」
信号待ちでちょっと小さな
音を立ててキスをする
短くても会えることって
こんなにも嬉しいことって
今までの私はきっと気付かなかった
当たり前なんてない
今の日々が小さな幸せ
積み重なって振り返った
思い出は大きな幸せ。