ユウガオ


「いいの?」

私の言葉に

「いい!」私の腕をひっぱって
歩き出す


エスカレーターで
私の一つ下の段に立つ彼
でも私と同じ目線


ひとつひとつに好きが溢れてくる

もし出来ることなら堂々と言いたい
彼のこと


だけど私は控える身



「俺、離婚しようと思う」

眺めのいいバルコニーで
彼は海を見つめていう


「なんで?」

私の質問にそれでもなお海を見ながら


「お前と結婚する」

と言った。

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