ユウガオ



一瞬腕が緩んだすきに私は
逃げた


「え、なんで?」
彼の驚く顔をみて

「へへっ、追いつけないでしょ!」
私は彼を挑発した



2人で砂浜を走った
いつぶりかな、こんなに無邪気に
走ったの


「捕まえた!」
体も唇も彼に捕まる


心はもうとっくに捕まってる


「帰りたくない」
今日くらいワガママ言っていいよね


彼は困った顔をしていた。


それでも彼は答えてくれた


ラブホテルじゃない
普通のホテルのスイートを
手配してくれた


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