ユウガオ



「ここも硬くなってる」
指先で乳首をちょん、と触ると

「ん、ちょ…」
彼の吐息が声になった



「やべ、もうだめ」
形勢逆転
私を抱きくるっとまわると
私は彼の下、腕の中



さっきより激しいキスが
落ちてくる
息もできない、声も漏れないくらい
チュ、プチュ、ピチャ

キスの音と私の小さな吐息
だけがバスルームに響く



ザブンッ
私を抱き立ち上がる彼


身体もふかずベッドに
優しく私を下ろす



「…俺、余裕ねぇよ…」


彼はまたも私の唇をむさぼり
もう唇がなくなっちゃうんじゃ
ないかと思うくらいだった



「だめだ…」
彼は唇を離すと私を今までで
一番強く長く抱きしめた



「…ちゃんと幸せにできる
保証ない…
お前が大切だから抱けない…

ほかのヤツに渡したくねえよ…
けど
今の俺が止める権利は
それこそない…」



何のこと?と思いながらも
寂しさと大切にされてる
という嬉しさも込み上げてくる


けれどやっぱり寂しさが勝つ



「いつって約束はできない
まりにいい人ができたら
俺は止めない、でも…もしも
待ってくれるなら…」


そこまで言うと彼はより一層
私を抱きしめる力を込めた


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