ユウガオ
ポロッ
自分でも気づかないうちに流れた
涙を片岡くんの親指が拭う
「休憩はいってきなよ…」
片岡くんは気遣って休憩を
勧めてくれた
ひとりになりたくない
早く眠りたい
起きてたら、ぼーとしてたら
考えちゃうよ…
もう会いたいなんて言いたくない
忙しいって言われるのが切ないから
「休憩ありがとう…
片岡くんも行ってきて!」
取り繕った笑顔はすぐに見破られる
「今日は眠たくないから
ここにいるよ」
片岡くんは詰所のデスクを指さした