ユウガオ
さっきまで肩で息していた
彼と変わり私が肩で大きく息をする
その度に涙が溢れてくる
「ごめん…」
彼は私を力強く抱きしめた
あぁ、待ってた
この強さと暖かさと心地よさを
ずっと待ってた…
どうしてこうも簡単に
捕まっちゃうんだろう…
「っ」
「私…1人で大丈夫だよ…
たくみさんは2つを同時には
愛せない。だって心は
1つしかないもの」
何か言い出した彼の言葉を
遮り、わざとたくみさんと笑顔で
言った。