ユウガオ




「明日空いてる?」
その日は思うよりもはやく
やってきた。


そう、埋め合わせの日

1週間後の土曜日



今日が4度目のデートの日


「これはオキナグサだね」
彼は私の携帯を手にしつぶやくように言った


「ごめんね」

私を強く強く抱きしめた彼


「たくみさん?どうしたの?」


「ううん…」


「聞いてもいい?…家族のこと…」

聞くつもりなかったのに
なぜか今すんなりと出てきた言葉



彼は運転している手と反対の手で
私の手をぎゅっと握った


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