ユウガオ




「あー緊張するかも!
どうしよ、まりのお母さんのが
俺とまりより歳近いよな…」

ひとりで彼はあたふたしてた


花畑から2週間


「はじめまして。
まりさんとお付き合いさせて
もらってる…」


結婚の挨拶じゃないのに
彼は2度目とは思えないほど
社長とは思えないほど
営業に慣れてるとは思えないほど

手が震えてた



彼の膝にある手にそっと
私も手を重ねる



「よくお話聞いてましたよ
どうぞよろしくお願いします」

お母さんはふふっと笑って
お茶を出した



「え、よく?」
彼は一気に顔色が明るくなり
子犬のような笑顔を見せた




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