ユウガオ



「俺は…
親父に会社継ぐなら結婚を
条件にされた。
もう…11年くらいになるかな…
10歳の女の子が1人いる。
今までちゃんと
連絡返せなかったのは
仕事が忙しいだけじゃない。
家族があるから。ごめん」

「そっか…」
としか言えなかった

私は何をいえばよかった?
知ってるよ?それとも、
だと思った。とか?
もう会わないとか?


彼は「今まで言えなくてごめん」


でも不思議と涙は出ない、出そうにもない


ただ、私はやっぱり2番以降だったって
ことを改めて知っただけ


「奥さんとは…うまくいってないの?」

「うん…」

「そっか」

「でも、もう気持ないからな
ただ…子どもが…ごめん、離婚
できない…」


道路の端に車を止め彼は私を
抱きしめた。

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