白球に想いを
確かに、長い間光は待っていると思うけれど、私にとっての光など、1人しかいないのだ。
愛をくれて、受け止めてくれるあの人。
たとえ、もう私のことを好きじゃないとしても、いや、考えないでいこう。それがきっと最善策なのだから。
1時間くらい自転車をこいで、やっとこさ家が見えてきた。
暗くて、明かりのついてない小さい家。
相も変わらずにいつもこんな感じ。冷たいように見える家。案外そうでもないけれど、特に電気はついていない。
そりゃ、家の中に誰もいないのにつける人はいないだろう。
結果、今日は私が一番はやく家に着いたということになるのだ。
まぁ、そんなのどうでもいいんだけど。なんせ早くついてもつかなくても、家事は私だし。
小さい頃からそんな暮らしなわけで、今更何を感じるわけでもない。
ただ、野球部を見たところ、サッカー部が終わるよりも遅いことから帰るのは8時すぎくらいになるのだろう。
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