白球に想いを
１回表

入部

私『渡瀬花奈』には、1年と７ヶ月。長い間付き合っていた彼氏がいた。
いきなりこんな話で、聞きたくない人もいるだろうけど、どうか聞いて欲しい。
彼との別れが、野球部員の皆と出会うきっかけになったことを。
白球を必死に追う彼らと、夢を追う私たち、マネージャーの話を。


努力という武器では、才能という壁は壊すことは出来ない。
野球は、ここの技術よりも、いかにその日、チームとして強かったか。それが重視されるのである。
『信頼』『責任』『積み重ね』
それらが合わさってはじめてチームとなる。誰か１人が上手くたって意味は無いのだ。全てはチームのため。勝つためにその人がどうあれるか。
チームの信頼が厚いところは、プレーも厚くて隙がない。
私たちの高校は、弱小校と呼ばれるものではあったけれど、きっと、チームの信頼は一番だったと思っている。
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