キスゲーム 後編 【完】
「アカン。やっぱ、うち無理やゎ。(ブチッ)」

   そのまま、彼女は俺から逃げるように電話を切ってしまった。。。

 あっという間の出来事で、涙も出せなかった。

 俺の名前は 冴凪 元也【サエナギ モトヤ】

 彼女と付き合い出したのは高校1年の頃だった。

 引越しが多かった俺にとっては、初めて付き合った女の子だった。

 元々、俺は関西で生まれたわけでない。

 父親が働いている会社は転勤が多く、色んな都道府県をまわってきた。

 父の給料は安く、母と父と俺の3人で暮らしてるのがやっとだった。

 だけど、父親が働いてる会社は経営が苦しくて今の状況は倒産寸前なのだ。

 だから、俺は1人 関西から関東に出ることにしたんだ。

 1人で暮らしていく為に。

 もちろん、仕送りはしてもらってるけど

 アパート代は俺が関西にいた頃にバイトで貯めた金で払っている。

 親には、あまり迷惑をかけたくない。

 そう思って、家から飛び出したつもりだったのに。
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