手紙の末路~シャープマーカー~
現在6時40分。
7時の電車に乗りたいので、勢い良く家を飛び出して走り出した。
そして、とある場所に着いたのだった。

そこは、
高い木が並ぶ森の前に、小さくて可愛い一軒家が並んでいて、その前に川が流れている景色。
それを、2本の高い木に挟まれた高い階段から見渡せる場所だった。

ここは、私の一番お気に入りの場所。

実は、学校に行く前に毎日していることがある。それは…

この街で一番お気に入りの場所で毎日、
朝と夕方に写真を撮りに来る。
撮った写真は携帯の待受にするんだけれど、毎日撮るから、毎日毎日待受が変わってゆくの。

お昼休みに、お昼ご飯のパンを買ってここで食べながら青空の写真を撮ったり、部活が長引いた冬の日は夜空を撮ったりする。

休日は友達と遊びに行って、帰りに夕焼けを撮って帰ったり、雨の日や曇の日の空も撮る。

私は別に写真が趣味なわけでもないんだけど、この場所の景色が大好きなんだ。

階段の一番上からは、涼しい風と、眩しすぎないくらに雲に隠れた太陽と、森の木の良い匂いが漂う。
川の音が静かに聞こえてきて、とても気持ちが良い。
やっぱり、ここで目を瞑り、涼しい風に吹かれながら川の音を聴いているこの時間が一番好きだ。

その最高の時間を堪能した後、
私は少し雲の多い今日の青空にスマホをかざし、シャッター音を鳴らして、駅へと急ぐのだった。
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