からっぽ。
どんなときも。
《要一》



まだ、やらなくてはならない事は沢山あったのに、俺は辛いとは思えなかった。

歩実さんと過ごす時間。

それが、安心と癒しを与えてくれるからだ。

『この人なら、一緒に乗り越えてくれる』

そう思うだけで、幸せだったんだ……



裕美の父親からは、子供が生まれる頃に連絡が来る事になっている。

認知をする事と、結婚は出来ない事を話し、話し合いは終わった。

裕美の事は、父親が説得すると言う。

元々、俺に対しての印象が良くない父親は、“結婚させない”道を選んだのだ。



後は、待つ事しか、俺に出来る事はないのだ………



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