からっぽ。
《歩実》



顔も知らない女(ヒト)に、嫉妬と憤りを感じていた。


私の大切な人の子供を産んだだけでなく、憎まれる事で、彼女は坂下にとって、一生忘れられない女(ヒト)になる。


子供を産む事で、坂下との関係を修復出来ると思っていた彼女は、安易だったケド、この世でただ一人、坂下の子供を産んだ女性なんだ………


彼女の父親が、頭を下げたと言う。


娘を“施設”に入れて、子供と引き離す。


そこまでしなければ、また、くすりに手を出してしまうからと………



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