からっぽ。
新品のチャイルドシートに彩葉を乗せて、歩実さんの部屋に向かう。


大人の都合で連れて来られたのに、良く笑い、手足をバタつかせながらはしゃいでいる。



歩実さんは、余計な詮索をせず、俺と彩葉を迎え入れてくれた。


歩実さんが差し出した両手に、行きたいと言う様に体を伸ばす。

あっと言う間に懐いてしまい、俺は驚いていた。


昨日の夜、何度も泣き出して、俺をてこずらせた彩葉が、とても落ち着いて眠ってしまいそうな程………



その“穏やかな光景”を見ていたら、いつの間にか俺は、眠ってしまっていた。



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