からっぽ。
いつもの様に、坂下が仕事に行った後、私は彩葉ちゃんと二人で、ご飯を食べていた。


でも、あまり食べてくれない。


それでも根気良く、私は続けていた。


小さな茶碗に半分くらいを食べた頃、飽きてしまった様にスプーンを手にとり、遊び出す。

そして、スプーンを投げてしまった。


「いーちゃんっ、ダメでしょっ」

少し大きい声を出して、私は叱った。


「うぁぁぁぁぁーー……」


最近、良く泣くと聞いていた彩葉ちゃんの、少し荒れた頬に涙が伝う。


私は、彩葉ちゃんを抱きかかえた。


「あれっ?」

ウチに来た時には、気付かなかったケド、熱がある様に感じる。



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