からっぽ。
「歩実ちゃん、今は、お仕事は昼間だけ?」

「はい…、そうですケド…」

「実はね……、今月で辞める女の子がいてね、新しい女の子を探してるんだケド……。
良かったら、歩実ちゃん、戻って来ない?」

「…えっ…?」



考えてみますとだけ言って、電話をきった。


もう、29才。

しかも、一度は辞めた仕事………


戻る事には、抵抗があった。


限界を感じて辞めた仕事。

なのに、
『忙しくしてたら、忘れられる』


そう、勝手な理由をつけて、戻る事を決めた。



< 51 / 242 >

この作品をシェア

pagetop