からっぽ。
「どうして言ってくれなかったのョ!」

相変わらずの香子は、私が夜の街に戻って来た事を知ると、すぐに電話をかけて来た。


「ごめん。バタバタしてたからさぁ…」


私の言葉を聞いているのか、自分の用件を話し出す。


今のお店の他に、小さなお店を出したいと言う。

そして、私が夜の街に戻って来るなら、任せたかったと……


また、勝手な事を言ってる。


私は、友達と一緒に水商売をするのは、嫌。

お客さんの奪い合いを何度もみて来たし、まして、上下関係だなんて………



「明日、要ちゃんの所で、少し話そうョ?」


私は、断わる理由もなかったから、行く事にした。



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