からっぽ。

「名刺ちょうだい」

帰り際、一応、言ってみる。



すぐに、ポケットから名刺を一枚、取り出して


「また、いらして下さいね!」

と、“営業スマイル”の男“坂下要一”は、私達と同い年で、その店の店長だった。


お互いが“良くない印象”で、私達は出会った。



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