からっぽ。
迷子 ♯2
《歩実》



「久しぶり!元気?」

香子からの電話。


「なんとかね……、香子は?」


私は、坂下から聞いた事を思い出していた。


待ってたとばかり、自分の事を話し始める、香子。


坂下との恋が終わって、今は“友達”として付き合ってるって事。

新しい彼が出来て、妻帯者だという事なんかを、いつもの様に話す………


『一番じゃなきゃイヤな香子に、不倫が出来るのかなぁ……』

なんて、話を聞きながら思ってしまう。



「要ちゃんはねぇ、前の彼女と一緒に住んでるョ」



あんなに苦しんでいたのに。



私も坂下も、同じ事を繰り返してしまっていたなんて………



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