後輩
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あれから一週間が経ち、あたし達の高校は終業式を迎えた。明日からはいよいよ冬休みだ。
けれど、その日の下校時に思いもよらない人物に遭遇した。
「……真島先輩」
「おお、久しぶり」
真島先輩とは、別れてからもう一ヶ月ほどになるだろうか。電車を降りて改札を出たところで見知った人物の姿に歩みを止めてしまったのが間違いだった。
「あのさ、新しい彼氏できたって本当?」
「え?」
「噂で聞いた、年下らしいじゃん」
「……そんなんじゃない」
「じゃあガセってこと?」
「……真島先輩には関係ないじゃないですかっ」
「ふーん、そっか。まあどうせその程度だろうなとは思ってたよ」
その言葉に俯かせていた顔を上げると、真島先輩は口元に意地悪な笑みを湛えてあたしを見下ろしていた。