呼吸(いき)するように愛してる
安西先輩とは、それからたまに、校内ですれ違うだけだった。

図書室で会っても、お互いに一人じゃない時も多かった。

安西先輩の優しい笑顔を見れば、痛みとせつなさを感じた。

それはやっぱり、匠くんを想うものとは違っていたけれど……

「安西先輩にはああ言ったけど、十年後も二十年後も、私はきっと匠くんだけが好きなんだろうな……」


──こうして、私の高校三年間はあっという間に過ぎていった・・・

< 112 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop