呼吸(いき)するように愛してる
「今まで美羽が、私に話してきた匠くんへの想いとか、さっき吐き出した辛さとか悲しみとか。そういうの、全部全部、匠くんに伝えたらいいと思う。匠くんが、どう応えてくれるのか。それによって、美羽がこれからどうしたらいいのか、わかるかも」

いつもは口数の少ないみちるちゃんが、たくさんの言葉を並べて、私に思いを伝えてくれる。

ありがとう、みちるちゃん。私の長い長い片想いが、苦しいだけのものではないのは、ずっとみちるちゃんが傍にいてくれたからだね。

「……ずっと妹みたいに思っていた私が、急に想いを伝えたら、匠くんを困らせるだけじゃないかな……」

眉尻を下げながら、不安を口にする。匠くんに想いを伝える事で、私は前に進めるかもしれないが、匠くんはどうだろう?

優しい匠くんは、突き放す事もできず、私とどう接したらいいのか悩むかもしれない。

「美羽が大好きな匠くんなら、どんなに困っても、ちゃんと美羽の想いを受け止めてくれると思うけど……匠くんと、美羽自身の事、信じてもいいんじゃないかな?」

匠くんと、自分を信じる……みちるちゃんの言葉は、私の中に新しい勇気みたいなものをくれた。

「みちるちゃん、ありがとっ!私、匠くんにちゃんと想いを伝える!」

みちるちゃんを見つめ、両手を強く握りしめながら言った。

「うん!……これは、その……真実(ほんとう)のところは、匠くんにちゃんと聞いてほしいんだけど……」

みちるちゃんが、らしくなく歯切れ悪く言う。

「?……うん、匠くんにちゃんと聞いてみるよ?」

私がそう返すと、みちるちゃんが自分のスマホを操作し始めた。

「美羽、匠くんから誕生日プレゼントに、バラの花束を送られた事あったでしょ。…バラにはね、色とか、バラの本数によって、それぞれ花言葉があるんだよ」

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